『道程』(どうてい)は、大正時代の詩人・彫刻家高村光太郎が自費で1914年に刊行した詩集。1910年から1914年にかけて『スバル』『朱欒』『白樺』『創作』などで発表された詩、小曲など76編を収める。1940年11月改定版発刊、1945年1月再改訂版発刊。改訂版では当初から40編が削除され、27編が追加されている。1940年改訂版により1941年度第一回帝国藝術院賞を受賞。
理想主義的・人道主義的傾向の濃厚な、大正詩壇を代表する記念碑的詩集。
概要
『道程』は1906年から1909年にかけてニューヨーク、ロンドン、パリなどを遊学した高村光太郎が帰国後に発表した詩編をまとめ上げ、1914年10月15日に抒情詩社より自費出版した詩集で、大正時代の詩壇に大きな影響を与えた作品とされている。制作の時系列順に収録されており、「泥七寳」を境に作風に大きな違いがみられる。前半部は怒りや絶望、焦燥などを表現したデカダンの影響を強く受けた詩が多くみられ、長沼智恵子との恋愛時期と重複する後半部は喜びや決意、祈りを表現した詩が多くみられる。当時では稀な時系列順に並べられた詩集となっているが、制作背景において高村は『某月某日』のなかで、「世間の言う詩集という特殊観念に鼻もちがならず、ただ制作順に自己の詩を並べて読者に内面を見てもらおうとした」と詩編収録の意図を語っている。
『道程』の原稿は長期に渡り行方が不明であったが、1998年に所有者が見つかったことが報道され、2007年、山梨県立文学館にて38枚分の原稿が初めて一般公開された。
初版収録作品
下表制作年は初版『道程』内に記載のある年月日を表記した。発表雑誌は各詩編の初出情報。
脚注
外部リンク
- 道程 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- 飛高隆夫「高村光太郎『道程』を読む(一)」『大妻女子大学紀要. 文系』第33巻、大妻女子大学、2001年3月、123-134頁、ISSN 09167692。 , 二, 三, 四, 五, 六, 七, 八


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